しばくさ神事
4月13日 加茂町立原に伝わる「しばくさ神事」との出会い。


今日、私のもうひとつの意外性を持つ職務を依頼され、
大東町の西に隣接する加茂町の立原のお宮のお祭りに行った。
この時期のお祭りは、祈年祭といい、としごいの祭りである。
いわゆる、この年の作物の豊作を氏神様に祈る祭りである。
江戸時代から伝えられ、250年の歴史を持つ「しばくさ神事」に出会えた。
60戸の戸数の地区であり、氏子の手により御輿を繰り出し、
子ども達の太鼓と笛のおはやしにより地区を練り歩く。
街道では、お年寄りや、家族が御輿を待ち受ける。
獅子も御輿とともに練り歩き、
街道の人々は獅子に加護を得ようと祈る姿が
印象的であった。

約1キロ程度の街道を練り歩いた御輿とお囃子は再び神社の境内にたどり着く。
行列参加の人々は木で作った小さな鍬を持ち、お宮を3周する。
その間、手に持った鍬で拝殿や本殿の柱をとんとんとたたきながら行列する。当番といわれる大人が5人くらいと子ども達が、
神社の拝殿にあがり、
シバ取りから種まきに至る唄を歌い、その後、
シバ(カシの木の枝葉)を早調子の笛太鼓の中、舞上げ、お互いにシバをかけ合う。
この神事は、作物を作る上での、土作りを願う神事であるという。
同じ加茂町でも宇治という地区に伝わる神事は田植え神事で、田植えの様子をとりながら神社を巡るものである。
土作りを伝える神事としてはきわめて貴重な神事であり、伝習でもある。
こんな風に田舎は文化の宝庫なのです。
豊かな自然と、きれいな空気と、そして,
なににも代え難い純朴な心がそこにはあるのです。


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