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『阿(あ)用(よの)郷(さと)。郡家の東南13里80歩なり。古老の伝へに伝へらく。
昔、或る人、此の処の山田を佃(つく)りて守(も)りき。
爾(そ)の時、目一つの鬼来て、佃人(たつくるひと)の男(おのこ)を食へり。
爾(そ)の時、男の父母、竹原の中に隠れて居(お)りき。
時に竹の葉動(あよ)げり。爾(そ)の時、食はえし男、
「動々(あよあよ)」と云ひき。故(かれ)、阿(あ)欲(よ)と云ふ。』
【 出雲風土記抜粋。神亀三年に、字を阿用と改む 】
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阿用郷は今の阿用地区に西阿用、清田、金成、大木原及び久野地区を含む広い地域をさした。
この伝承に見られる目一つの鬼の妖怪伝説は珍しく、風土記では阿用郷以外にはない。
阿用郷の地名は妖怪に犠牲になった男の、親を思う気持ちがこめられためずらしいものである。
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